平野晒工場の大型天日乾燥場は、高さ8メートルの柱を持つ独特の施設です。精錬・水洗いを終えた生地を、ここで自然の風と太陽の光にあてて乾燥させます。なぜ乾燥機を使わないのか——今回はその理由と効果をご説明します。
乾燥機との決定的な違い
乾燥機で生地を乾かす場合、熱と機械的な動きが生地に力を加えます。特に回転ドラム式の乾燥機では、生地が撹拌されながら熱で縮む。縮みが発生すると生地の風合いが変わり、やわらかさが失われることがあります。
天日干しは、生地を吊るしたまま自然に乾かします。重力に従ってまっすぐに伸びながら乾くため、生地にテンションがかかりにくく、繊維本来のやわらかさが保たれます。
風の読み方
天日干しは「ただ外に干す」だけではありません。風の向きと強さを読み、生地の向きを調整することが職人の仕事です。強風の日は生地が傷む可能性があるため、干す量や位置を工夫する必要があります。
また、夏の強い日差しと適度な風が重なる日は絶好の乾燥日和です。そうした日に仕上がった生地は特にやわらかく、手に触れるとその差を感じることができます。
1970年完成の大型乾燥場
弊社の天日乾燥場は1970年(昭和45年)に完成しました。高さ8メートルという規模は、当時の先人たちが天日干しの重要性を強く信じていた証です。半世紀以上にわたって使い続けてきたこの施設が、今日も平野晒工場の品質を支えています。
工場見学のご希望について
天日乾燥場の様子は、弊社のギャラリーページでもご覧いただけます。工場見学をご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。